4分の1 コアラ

旅行・まちあるきの記録をしようと思っていましたが細々と日記を書くことにします。

眼鏡を買いに行った話

何かを踏んだらしき鈍い音が響き渡ったのは、昨晩のことでした。思い返してみても、床に眼鏡を置くことになったのは、そこに座布団を敷いて昼寝をしてしまったからなのか、それともすぐに掛け直すつもりだったのか、判然としないのですが。

そもそも昨晩はオンライン飲み会が予定されており、繋ぎながら食べる夕食は「飲み会なのだから身体に悪そうなものがいいだろう」という謎の判断基準でハンバーガーと決め、自転車に乗って近所のハンバーガー店まで出かけて行ってテイクアウトをしてきました。帰宅してローテーブルにMacBookを設置し、その隣に買ってきたバーガーやポテト、飲み物を並べ開始時刻となったのです。そういえば、薄暮の時間帯に自転車に乗るにあたって念の為に眼鏡を掛けていたので、この時点ではおそらくまだ耳にかかっていたことでしょう。

飲み会が始まって2時間ほどが経った頃、ふと気づくとテーブルの上のiPhoneは充電がほとんど無くなっていました。これはいけない、充電しなければ。コードを取るために立ち上がり一歩踏み出したところでした。あの音が響いたのは。

この眼鏡を作ったのは遡ること9年前。今では携帯キャリアの販売店になってしまった実家近くの眼鏡店を訪れ、人生初の眼鏡を手に入れたのです。「視界が広ければ何でもいい」「どれを掛けたところで見た目がよくなるわけでもない」という今から考えると驚きの姿勢で臨んだフレーム選び。高校の頃は授業中しか掛けていなかったので特に問題を感じなかったものの、大学に入ってからは人前であまり掛けたくない心理が働き、視力の漸進的な低下を感じながらも可能な限り裸眼を押し通す結果となっていました。

とはいえ、今朝目を覚まして、9年間も使い続けたパートナーが変わり果てた姿で横たわっているのを見るのは悲しいものでした。それでも、これを機に新しい眼鏡を作るべきではないか。一瞬にして過去の存在になってしまった眼鏡をケースに収めて家を出ました。

7時間後。今では新しい眼鏡とともにMacBookに向き合っています。2020年代は、あなたに頼みましたよ。

新しい眼鏡を買うことは、生活の大きな進捗。実務的な進捗に追われる毎日では、生活を前に進めるために時間を使うことにどこか後ろめたさを感じてしまいがちですが、今日は眼鏡を買った、それだけで素晴らしい1日だと思いませんか。